高校2年の夏をタップリと愛犬と過ごした私は、次は何をしようか、ということばかり考えていました。
といっても、残念ながら秋休みというものはないので長期のキャンプはできません。
しかし、私の住んでいた観音下から奥の大日山系にはまだ手つかずの原生林が残っており、よくスーパーカブを駆って散策にでかけました。燃えるようなうつくしい紅葉は全くもってスバラシイ!小松市民として誇りに思います。犬はどうして連れて行ったかというと、スキー用の大きなリュックサックに犬が顔を出した状態で入れて、カブの前にとりつけていました。写真がないのが残念ですが、エルは慣れると嫌がらずにリュックに入ってくれました。
犬といっしょにオートバイで風を切って走ると、気分爽快!。嫌なことも忘れてしまいます。高2といえば悩み多き年代。部活のこと、勉強のこと、進路のこと、将来のこと・・・・etc。私の場合それらのことを焚火の炎を見つめながら色々と考えるのが好きでした。しかし、決まって炎を前にすると悩み事は消えてしまうから不思議。そばには必ずエルがいる。高2の秋は美しい大日川沿いのお気に入りの場所で何回もキャンプして過ごしました。そして、あるときフと思ったのです。「大好きなこの場所は冬になるといったいどんな景色になるのだろうか?」と。 20年前の冬は今よりも寒かったように思います。積雪量も多く、当然道は雪で閉ざされます。その上を行くとなるとカンジキやスキーが必要。また、装備も冬用が必要になります。「冬山の経験などない自分が果たしてできるのか。」などと心配すらしなかった自分が余計に怖~い。私は担任のM先生に相談しました。先生は「ダラ!」と言ったあと、「また明日来い。」と言いました。次の日また行くと、テント、寝袋、ダウンジャケットを持ってきてくれていたのです。私はがぜんやる気になりました。そして、どんなルートで行くか!と考え始めたのです。