朝起きると、一面の銀世界でした。
しかし、幸い天気は曇りで朝食の準備は狭いテントから出た外で行いました。
それにしても寒い
指がかじかんでコチンコチンに凍りそうです。
EPIガスの寒冷地用のコンロのノズルをひねると勢いよくガスが噴射され、コッヘルに入れた雪はあっという間にお湯になりました。素早くカップスープを作り、一口すするとポカポカと体が温まるのが分かります。あとは菓子パンをほおばり、朝食は終了。当然エルも同じ食事。その後、そそくさとテントを撤収し65リットルのザックに荷物をまとめると、さあ、出発!。今日は新保の集落を五百峠まで雪の上を進み、大倉岳高原スキー場を横切って、現在の第3リフトの脇から大倉岳山頂を目指します。北陸の人はみんなご存知でしょうが、雪というのは雪質と深さによって歩くのにかかる負担がまるで違います。一番歩きやすいのはカチカチに凍った雪の上、このようなことは3月の昼間にゆるんだ雪が、放射冷却でキーンと冷えた翌朝にのみあり、12月ではありえません。その次に歩きやすいのは足首までの雪、滑ることに注意すれば普段道を歩くように進むことが可能。最悪なのは膝くらいの深さで湿った雪。この場合はカンジキを履いても足は少し埋まるしカンジキに乗った雪が結構重く股関節にもろに負担がかかります。今回はこの最悪の状態でした。汗びっしょりになって進むけどなかなか距離が稼げず、休んでは進み休んでは進む。しかし、途中では見たかった大日川源流部の雪景色を堪能しました。雪の上にどかっと座り魔法瓶から朝詰めた暖かく甘い紅茶を飲むと疲れが引きました。大倉岳高原スキー場の白山ロッジ(今はもうない)には昼に到着。雪不足で営業はされておらずガランとし、シーンとしたスキー場のロッジの中でサッポロ一番みそラーメンを作り、ベビーチーズを入れて食べた。山で食べる即席ラーメンってなんでこんなにおいしんでしょうか。一息ついたら体がのんびりしないうちにいよいよ大倉岳山頂に向かいました。しかしここからは登り。これが結構しんどくて、口から心臓が飛び出しそうでした。重い雪をかき分け進む。エルは私の歩いた後を器用に踏んでいかにも楽そうに『また休憩ですか!?』と言わんばかりの目線でこちらを見ます。陸上部で鍛えた高校2年生は体力的、筋力的に見てもかなりのもののはずなのに・・・。しかし、苦労して汗びっしょりになって到着した山頂での喜びは、何度も登ったこれまでとはケタ違いにうれしいものでした
エルも年ながいもなくはしゃいであたりを走り回っていました。