野生ニホンザルの調査。背中のリュックには水筒、ヘッドランプ、ナイフ、植物図鑑、ビニール袋、雨具、弁当、トランシーバー。頭に手ぬぐいをまき、手には軍手、ポケットには地形図とコンパスとフィールドノート。首から双眼鏡をぶらさげる。これがいつものスタイルです。山中では五感を研ぎ澄まして野生と対峙します。足元のフィールドサイン(動物の糞や食跡、足跡)、対岸の尾根の木々の揺れや動物の鳴き声、ボーっと山を歩くだけではサルは見つかりません。ですから、経験豊富な調査員ほど収集する情報量が豊富でサルを上手に見つけます。また、山を歩く技術も調査員の重要な要素です。道なき道を地形図を頼りに歩くのですが、場合によっては尾根ではなく急な斜面をかけのぼったり、駆け下りたり、横切ったり。しかし、本当に重要なのは登る技術よりも降りる技術です。登るのは簡単、上へ上へと行けばいいだけ。疲れもピークに到達すれば癒されます。しかし、下りを間違えると最悪! 沢に落ちたり、崖にでたり。そんな時は体力も落ちてヘロヘロ、最悪遭難ということも・・・。ですからリュックにはいつも非常食とヘッドランプを携帯します。
青森の下北半島でのタイワンザルの調査
この後、尻を咬まれた・・・・・・・。
