ニホンザルは群れで生活しています。彼らは早朝日の出から活動を始め、おもに採食のために山中を動き回ります。もちろん人が歩くようななるべく平坦な道ばかり移動するとは限りません。ときにはものすごいスピードで崖を下ったり、沢を渡ったりします。調査では彼らの頭数、年齢ごとの性別数、季節ごとの食べ物、季節ごとの利用地形等を調べるわけですが、これらは全てサルの群れを追跡しながら行います。忍者のように木陰に隠れて食べている植物を観察したり、尾根道を渡るときに頭数や性別を確認したり、糞を採取し、分析して食べているものを調べます。サルの移動についていけないときは、他の調査員にサルの移動方向を伝え、先回りをしてもらいます。サルは夕方「鳴き交わし」という普段では出さないような甲高い声で一斉になくことを合図にして一日の移動を辞めます。ですから私たちはその泣き交わしを聞いてサルの「止まり場」を抑えた後下山し、また翌日の早朝、サルが移動を始めるまえにその場に戻り、また一日中サルを追跡します。ですから1週間も連続してサルを追うと身も心も疲れ果ててしまします。しかし、そのようなときでも仲間との焚火を囲んでの宴会は楽しかった!。疲れも一気に吹っ飛びます。
辛い山行のあとの焚火は最高!調査での一番の楽しみでした
