獣医学科は6年制です。1.2年生は一般教養と解剖学などの基礎的な学問を学び、3年生からは内科、外科、病理・・・などを専門的に勉強する一方で、研究室に所属します。私は本校に入学した目的どおり野生動物学教室に所属しました。3年生はもちろん研究室では下っぱで、「当番」というのがあり朝と夕に研究室で飼育しているサル(カニクイザル、ベニガオザル、ニホンザル)タヌキ、トビなどの世話をします。この当番は4年生も行い、主に3年生の指導にあたります。5年生は会社でいうところの中間管理職、6年生は部長クラス、講師は次長、教授は社長です。入籍した当初は4年は長いな〜と感じましたが、実際は時は飛ぶように過ぎました。野生動物学教室の教授は「和(にぎ) 秀雄」先生で日本の野生動物医学を確立された第一人者です。指導姿勢も厳しく、「獣医たるもの、なんでもできねばならぬ」と学生には内科、外科、解剖、繁殖、生理学なんでも自由に学ばせてくれました。ですから何もやらないと何にもできない獣医になってしまう気風があり、研究生はそれぞれ皆自分のやりたい研究に従事していました。その習慣は今も抜けず、私はボーっとしているのが大嫌いで常に何か行動していないと落ち着きません。
ニホンジカの治療風景
