哺乳類の幼獣の人工保育は大変ですが、日に日に大きくなっていくのを観察できるのでとても楽しいことでもあります。
ある日センターにムササビの幼獣が運び込まれました。ムササビは木にできた洞に巣を作り子供を育てるので、巣から落ちた場合は速やかに戻せば十分親が育てる可能性があります。ですから私たちは救護者から場所を聞くとセンターで一番長い梯子を車に乗せて急行しました。しかし、言われた木を見上げて「ギョッ!」その木は樹齢にして100年を超えたケヤキで、ムササビの巣穴ははるか上空で全く見えませんでした。ムササビを巣に戻せず残念でしたが一同なぜか自然の偉大さに感動。空を見上げると樹齢百年以上の大木の枝が春の風に揺られてカサカサ音を立てていました。
保護されたムササビの幼獣
人口哺乳の甲斐あって目も開いた
ミルクは犬用で代用がきく

センターの飼育室前で育てたムササビと
兄弟ではなかったが、オスとメスで仲も良かった
