2頭のムササビは授乳期、離乳期をセンターで送り、次はいよいよリハビリ期に入りました。ムササビの最大の特徴は、樹上生活をしていて、木から木には前足と後肢のあいだにある皮膜を広げて滑空すること。つまり飛べなくては話にならないということです。そこで、手始めに柔らかいクッションを引いた床に「ポ〜ン」という感じで投げてみたら、意外や意外ムササビは幕を広げるそぶりをして明らかに「トベるんだよ、おいらはぁ」という感じで着地したのです。「ほ〜。ほんならやってみるんだね〜」と5mくらい先をめがけ真横に投げると、なんと見事に滑空し、さらに数メートル先に着地したのでした!。驚いたのはムサは飛ぶことが楽しいらしく、投げられて滑空、着地後は私のところまで自分で戻ってきて「もう1回頼むよ〜ん」という目線でこちらを見るのです。これは本当に楽しかった。私は何度もムサに催促されて飛行訓練?につきあいました。飛ぶことに慣れたムサは20mは平気で飛べるようになりました。
しかし、問題は飛ぶことではありませんでした。ムササビは樹上で頭を上下して飛び移る枝までの距離を測り、ジャンプ、そして正確に飛行します。私たちの育てたムサたちはこの距離を測る仕草はするのですが、残念ながらどう促しても自分で飛び立つことができなかったのです。
台の上のムサ 首を振って距離を測るには計るのだけど・・・

広いフライングケージで暮らすことになったムサ
お気に入りの巣箱から顔を出す
