野生動物との関わりに没頭した学生時代。ナンバー1の思い出は大学4年生にある。サルの調査中に1頭の子ザルが母親からはぐれて畑に取り残され、その子ザルを自分が育てることになったのです。連れてきたのは前にも書いたS先輩。このとき先輩は就職しており当然日中は面倒を見れないので自分が育てることになったのです。教授に相談したら「まっ、やってみるんだねぇ〜」とのこと。研究室は各種のサルを飼育していますが、感染症防除の観点から野生のサルを同居させるわけにはいかないので子ザルは私のアパートで飼育することになりました(もちろんペット飼育不可)。さらに、いずれは山に帰すんだから人に慣れさせないように!という指示つきでした。私は小型のケージを研究室からアパートに運び、中にぬいぐるみや毛布を入れ、なるべく人慣れしないように育てようとしました。しかし、目も開いていない子ザルを愛情抜きで育てるのは無理でした。そこで私は子ザルに「コナン」と名付け、野生の母ザルがするようにほぼ24時間べったりくっつくようにして育てたのです。ミルクは明治、森永を飲ませ比べたところ明治がいい! 哺乳瓶は成長に合わせ、犬用から人用へと変えた方が良い。オシメは・・・という具合に新米の母親以上に気を使いました。おかげで子ザルはすくすくと成長。しかし、困ったことに明らかに私のことを母親と思っているようでした。
最初はあまり触らないようにして育てようとした。
鉄格子を握りしめる小さな手を見ると胸が痛んだ。
来たときはやっと目が開いたところ(生後1週間)

やはり、赤ん坊には愛情が必要
6畳一間のアパートで子ザルを育てた
隣人 友人 先輩後輩 つまり教室の先生とS先輩以外にはナイショ
