
写真1
『猫が寝て居た後に必ず落ちているこのパラパラのものは何でしょうか?』というのが初診時の問い合わせでした。

写真2
その後、『ネコの糞に動く白いものがいるので・・・・』と猫の新鮮便をお持ちになられました。
さすがに、これは『瓜実条虫の体節』と一目で分かりました。
便の上部についているのは猫砂
中央やや左の米粒のような白い物体が体節です

写真3
この写真は体節をつぶしたところで、小さく見えるのは虫卵です。

写真4
これは虫卵の拡大です
写真2の正体は体節が乾燥した状態のものでした。
ためしに便から得た体節をしばらく乾かすと全く同じ状態の物体になりました。
このことを飼い主さんに伝えると『・・・人にはうつるんでしょうか・・・・?』と一番気になるご質問。
でも、ご安心を! 瓜実条虫はノミ(中間宿主)の体の中で哺乳類(終宿主)に感染できる形に変化します。よって、ノミの捕食をもってヒトを含む哺乳類に感染しますのでヒトが誤ってノミを食べない限りうつりません。
今年は気候のせいか、よくノミの被害にあった動物が来院します。
ノミの寄生は今回のように瓜実条虫の寄生にもつながりますので、どうか駆虫をお願いします。
また、ノミ寄生が認められた動物には合わせて条虫の駆虫をおすすめします。