おはようございます。
いよいよ冬将軍到来か? 雷が激しく鳴り響いています。
さて、今日の朝刊に18年間体内に手術時に使用したガーゼが置き去りにされていたという記事がありました。
漫画では見たことがありましたが、まさか本当にあるなんて!というのが本心です。
そのようなことがあっては決していけない! 私も毎日のように手術を行いますので身が引き締まる思いで記事を読みました。
そういえば先日、なかなか背中の皮膚炎が治らないワンちゃんがいて困っていました。
1度目の手術できれいに皮膚炎を取り除いて整復したにもかかわらず、しばらくするとジクジクと皮膚炎が再発します。
2度目の手術の時にもしや?!と思い、皮膚の整復前に腹腔鏡でお腹の中を見たらビックリ!
なんとちょうど皮膚炎を起こしている部分の真下に大きな腫瘍が見つかりました。
腎臓と膀胱をつなぐ尿管も巻き込まれており、取り除くには難儀しましたが、何とか成功。
腫瘍にメスを入れて見ると、ありました! おそらく過去に行った避妊手術の時に使用したと思われる非吸収性の糸が。
この糸が数年のうちに組織と反応して腫瘍を作り、腫瘍が腹壁に癒着、炎症を起こし、さらに体表にまで炎症が進行していたという訳です。
最近ではこのようなことを避けるために極力糸を体内に残さない手術器具を導入していますので心配はないのですが、初めて見る症例だったので正直驚きました。
でも、原因が分かってよかった 治ってよかったです
↓腹腔鏡で見た腫瘍 赤い部分が炎症部分