『食べたいみたいで、餌の前に行くんだけど、食べないんですよ〜』というネコが来院。
実は問診でこのようなお話を大変よく伺います。
こんな時には、口をア〜ンと開けると原因がハッキリする場合があります。
御覧のとおり、今回の場合は口内炎といって、口の奥(写真:上 中央部)、歯茎(写真:下 歯の根元)に赤い炎症が見られます。
つまり、この子は口の中が痛くてご飯を食べられなかったのです。
さて、原因は?
口内炎は外傷や薬物などによる刺激などでも起こりますが、歯石の蓄積を根源とする歯肉炎から細菌、真菌(カビ)、ウィルス感染がおこり深刻化することもあります。特に猫免疫不全ウィルス、猫白血病ウィルス感染を起こしている場合は予後が不良です。また、腎不全による代謝不善から口内炎を発症する場合もあります。この場合は 多飲多尿や薄い尿、痩せてきたなど腎不全の症状がないかが確認と、尿や血液の検査と治療を要します。
今回は、腎不全やウィルス感染が見られなかったので、歯のクリーニングを行い、炎症を抑える注射と抗生物質の投与を行いました。
こういった事態を未然に防ぐには、まず
①定期的なワクチン接種
②腎不全になりにくくするための良質の食事
③歯磨きによる口腔内クリーニングが効果的です。
『えっ?猫に歯磨き』と聞かれそうですが、ご安心を!。歯ブララシでゴシゴシ磨かなくとも効果の期待できる歯磨きクリームがあります。詳しくはスタッフまでお尋ねください。ちなみにチキン味が人気です。