昨年末から当院に1日おきに通われているワンちゃんがいます。
これまでに何回か突然立てなくなり、その度に投薬治療し改善したが、今回は首から下が全く動かなかったとのことでした。幸いにも水と食事は自力で取れるようになったそうです。症状からいって首近辺の脊髄神経が何らかの原因で圧迫され、その部分より下の神経伝達が遮断、手足等の運動機能が麻痺したのでしょう。脊髄造影を行うことで神経の遮断場所を特定し、手術するか検討することは可能ですが、その場合は全身麻酔が必須です。飼い主さんと協議し、しばらくは光線治療を中心に治療を行うこととしました。その結果、みるみる症状が改善され2月中旬頃には身体を起してフセの姿勢をとるにまでになりました。
だいぶ状態も安定してきたので、最近では『水中リハビリ』を行っています。

ワンちゃん用のライフジャケットを装着!
おっ、今日もやる気じゅうぶんだねエ

陸上では全く足を動かすことはなかったのですが、このとおり水中では意識的に足を動かします。動かしたい筋肉によって、スタッフが体の支え方や水の深さ等を調整します。
まだ開始して間もないので、疲れすぎないように気を配りながら時間と負荷を調整します。

水中リハビリの後は、『マイクロバブル』でリフレッシュします。
ミクロの泡は優しく身体を包み込み、運動で疲れた筋肉をほぐします。
ワンちゃんも毎回うっとりしています。

その後は『光線治療』を背骨を中心に行います。
専用のカーボンから発せられる可視光線が身体の血行を促し、幹部の腫れや痛みを緩和します。
気持ちいイイので『アメ』も飛び入り参加
この子は朝お父さんが朝の出勤の際に当院に預け、夕方仕事から帰宅時に迎えに来られるという生活を送っています。日中は私の部屋で私やスタッフの動物とふれあい、最近では起き上がっていることも随分増えました。気長な治療ですが、無理なく楽しみながらできる点では最高です。『ボクもまた歩きたい!』という思いが途絶えた神経を再びつなげ、自力で動けるようになる手助けができればすばらしいなと思います。これからもよろしく。