当院に来院いただく動物で一番多いのは間違いなく皮膚病です。
皮膚病も他の病気と同様に原因がはっきりすれば治療はスムーズです。皮膚病の診断にはいくつか方法があるのですが、当院でよく行うのは「スクラッチ検査」です。これはステンレス製の専用器具で皮膚の一部をこすりとり、顕微鏡で観察する方法で「ニキビダニ」や「ヒゼンダニ」など、皮膚の中に寄生するダニ類の検査に適しています。一見すると同じように見える皮膚病ですが、顕微鏡レベルで観察すると全く違った様子が伺えます。
今回はスクラッチ検査で「ニキビダニ」が見つかりました。このダニの場合の治療は内服と薬浴が最も効果的です。
ただ、ニキビダニは健康な犬の皮膚内にも通常生息しています。問題なのは、例えばアレルギーなどで免疫力が低下したときに大繁殖してしまった場合です。その場合は単に駆虫と薬浴だけでは皮膚炎がおさまらない場合も多々あります。そのようなときは、複合的な治療が必要になります。
全身に湿疹が見られます
赤丸の中の細長い物体が「ニキビダニ」です。