当院では3種類の健康診断コースを設けており、少しずつオーナーさんにも定着してきております。
人医では悪性腫瘍は早期発見早期治療が一般化しており、内視鏡などの診断機器も日進月歩に発展しております。自覚症状を口で言える人間でさえそうなのですから、もの言わぬ、しかも病気の進行速度が人の4倍といわれている動物であれば、なお健康診断の実施価値は上がると考えています
今回は、その健康診断で、おなかの中にできた腫瘍が運よく見つかった事例をご紹介します
この子の場合はオーナーさんが年に1回Cコース(全身検査、レントゲン検査、心電図、血液検査)を受診させてもらっていました。
1年前のレントゲンでは見られなかったもの(写真の赤○)が今回の検査で見つかり、即日手術となりました。病理検査の結果は悪性リンパ腫でした。発見が早かったおかげで腫瘍もさほど大きくなく早く終わり、また、食欲不振などの症状がなかったため術後の経過もよく、3日ほどで退院ができました。このままの放置は他の臓器への転移など予後不良の経過をとるため、非常に危険でした。まさに「やっててよかった健康診断」でした。