お腹の中に「何か固いもの」がある。一瞬ドキっとしますが、この子の場合は過去に去勢を行っていないにもかかわらず、本来あるべき場所に睾丸がない、いわゆる潜在精巣の腫瘍化が疑われました。しかし、レントゲンで見るとかなりの大きさであるため、手術で摘出することにしました。
レントゲン写真:横向き 左が頭部 赤丸が腫瘍
手術中に確認したのですが、この子の場合は精巣がただ腫瘍化したわけではなく、精巣に栄養を流す血管が捻転し、血液が停留、睾丸の肥大化、壊死を起こしたようです。
普段の診察ではこのような潜在精巣の犬をよく見かけます。
そのようなときは腫瘍化する前に思い切って手術した方が安心です。
左:肥大化した精巣 壊死しており黒色に変色している
右:委縮したもう片方の精巣