小松市の動物病院・トリミング
すずき動物病院

午前中の診察が終わりに近づいたころ、一頭のワンちゃんが来院。

『1週間前から食欲がなく、3日前から吐き出して、水ばかり飲んでいる』

これらの症状でピンと来るものがあり『女の子で、避妊は?』という質問に答えは『NO』でした。

腹部をさわると大きく膨らんでおり、陰部から黒いおりものがでていました。

超音波診断装置で下腹部を観察すると、おなかにはっきりと子宮に水様物が溜まっているのが分かりました。

まぎれもなく『子宮蓄膿症』です。しかもかなり深刻な状況、すぐに手術にとりかかりました。

手技は『卵巣と子宮の全部分摘出術』です。

写真は、腹部を切開し子宮のみを引き出した状態のものです。大きさが分かりにくいですが、私のこぶしの4倍の大きさです。

通常なら体重15kgのワンちゃんなら子宮の太さはボールペンぐらいのものです。

パイオ.jpg

手術は無事終了。その後、取り出した子宮を切ったら大量の膿が噴出しました(文末に動画:かなり衝撃的)。

これと同じことがおなかの中でおこると、おなかの中でバイ菌感染をおこし、手遅れになると動物は亡くなります。

子宮蓄膿症は避妊手術を行っておけば発生を未然に防ぐことのできる病気です。

当院では日頃から交配を行う予定のない動物には犬でも猫でも基本的には避妊手術を勧めています。

中には『避妊は不自然』とお考えの方もいらっしゃいますが、交配を行わない(=交尾をさせずにおく状態)ことも、生殖器官にとっては不自然な状態と言われています。これはオスにもあてはまることです。

また、2.5歳までに避妊手術を行った場合の乳癌の発生率は、避妊をしない場合に比べて低くなるということは既に立証されています。

たとえ、2.5歳をすぎても、子宮蓄膿症や子宮水腫、子宮癌、卵巣癌は物理的に防ぐことができます。

動物の命はヒトに比べ短く限られています。動物たちの願いは病気にならないで、なるべく大好きな飼い主さんと長く一緒にいることです。避妊手術はそんな動物の気持を尊重した文明的な行為として動物愛護先進国の欧米ではすでに飼主の間で何年も前から定着しています。

避妊手術についてのご相談、ご質問などありましたら、遠慮なくお問い合わせください。

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